あなたのせいじゃない?病気と片付け、ゴミ屋敷化の関係

どうしても片付けができない…!

片付けって、なかなか難しいですよね。

どこに何を置いて、これは捨てて、これは取っておこう…一部屋ではなく、お家全体を片付けようと思うと、考えなければいけないことで一杯になってしまいますよね。

それに、いざ始めてもどうも、思っていた通りにできないし、これって、自分の性格がダメなのかな?怠けているだけなのかな…

実は、そうとは言い切れないのです。

片付けと障がいの意外な関係

例えば、ADHDって言葉を聞いたことがありませんか?
ADHDの人は「注意欠陥・多動性障害」とも呼ばれ、細かい点に注意がいかないとか、慌ててしまうだとか、周囲からは、あわてんぼうと思われがちになります。

このため、優先順位をつけたりするのが苦手で、整理整頓も不得意になる、と言われています。

片付けは誰にとっても難しいものですが、例えばそれが性格ではなく、別のところに原因があるかもしれない、と知ると、少し対処の仕方が変わってきまし、必要以上に自分を責めてしまうことも減らせると想います。

この他にもいくつか片付けや整理整頓を苦手とする精神疾患がありますので、何かの参考になればと思い、ご紹介いたします。

ゴミ屋敷…とまではいかないけれど、ごみの溜まった部屋(ゴミ部屋、汚部屋)化しちゃってるかも…とお悩みの方も、一度片付けから離れて、片付けと障がいの関係を学んでいきましょう。

強迫性貯蔵症(ホーディング)

強迫性貯蔵症(ホーディング)とは、「極端にものを貯めこんでしまう」障がいを言います。
日本では、あまり馴染みのない言葉ですが、アメリカではすでに何百万人もの人が、このホーディングに罹患している=「ホーダー」ではないか、と言われています。

最近、ごみ屋敷がニュースで話題になることがあります。家の敷地の外にまで不要物(と思われるもの)が溢れている事がありますが、住民の大半は、ホーダーなのではないか、と言われています。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHDは先にお伝えした通り、整理整頓を苦手とします。その原因は、じっとしていられない、集中力が続かないためです。

ADHDがどうかの判断は難しいものが多く、また子供特有の障がいと思われてきましたが、
最近「大人のADHD」として、実は成人していても、ADHDに悩んでいる人が多いことが分かってきました。

うつ病

うつ病は、様々なストレスが原因て発症する心の病気です。例えば、仕事で頑張りすぎて残業続きだとか、そりの合わない上司にずっと叱責されるだとか、ストレスのかかる環境下で過ごすと発症すると言われています。

うつ病にかかった人は、外に出たくなくなったり、そもそも無気力で、何も考えられなくなります。
それでは、中々家の整理をしようとも思えませんし、無理して行っても、すぐに疲れてしまいます。

セルフネグレクト

セルフネグレクトとは、日本語に置き換えると「自分自身を拒否する」こと。
普通、人間が生きていくためには食事を取ったり、排泄をしたり、お風呂に入ったりと、意識をしなくても最低限やらなければいけないことがあります。

しかし、セルフネグレクトの人は、これら全てに対して、意識的に拒否する気持ちが働き、結果「何もできない」状態になります。これが進行すると、生命すら危ない状況になってしまいます。

統合失調症

統合失調症とは、かつては精神分裂病とも言われていた障がいを指します。

この障がいの症状として、会話や行動が支離滅裂になることがあります。
例えば、人と楽しく会話をしている途中に、別の事を始めてしまうだとか。

片付けに関しても、ふとした時に、別のことに意識が言ってしまうため、なかなか集中して、本来の「片付け」を続けることが難しいのです。

認知症

認知症とは、脳の細胞が死滅していくことで、脳内の情報伝達が滞りがちになる障がいで、物忘れがひどくなるなどの症状があります。

特に、お年寄りに多いイメージがありますが、「若年性認知症」といって、若い人(64歳以下)でも発症する可能性があることが分かっています。

認知症は、日常生活を困難にする為、家の片付けを行うのは、少し難しいかもしれません。

一人で悩み過ぎないこと、まずはそこから

色々と、片付けられない障がいについてご紹介いたしましたが、片付けられない=障がいがあるわけではありません。

こうした障がいは、自分で抱えていることに気が付くケースは少ないため、どうしても、片付けができない原因を、一人で抱えてしまいがちになります。

片付けや整理整頓に関して難しさを感じたのであれば、まずは周囲に相談してみましょう。今の状態を一人で何とかするのではなく、はじめだけでも協力を仰ぐ、というのは有効な方法です。

また、必要に応じて医療機関に相談をすることも、必要になってくるでしょう。

あせらず、慌てず。ゆっくりと対処をしていきましょう。ごみ部屋や汚部屋は、必ず解決できます。